畑瀬まで来て１０時３５分、「ばたばたしなくても最終ピークへは早く着ける」と思って気楽に展望する。そんな時『ミンミン蝉』が鳴き始めた。春蝉は聞くことがあるがこの時期にミンミン蝉とは・・。（実はこの後１４番当たりでもミンミン蝉の姿を見て私の空耳でなかった事が判明した）　おやつを食べて発（１０：５６）　尾根先へは簡単に着けた。　（１１：０３）　しかしそこから一変して、急下りの激藪になる。

バイクが無ければそうも無いだろうが、とにかくバイクが柴や木に引っ掛かって苦戦した。下の方ではシダも出たがやっとコルに着いた。　８・（１１：１７）　ここは峠だった形跡有り。上り返しは少し楽になった。地面には『ショウジョウバカマ』が沢山生えていた。木の間をすり抜けながら上って行くと次第に開けてきてほぼ横ばいの後先端に着いた。　９・（１１：３３）　ここでおにぎりタイム。

下に西脇市の焼却所が見えてその山側に遊歩道のような地道が見えた。また、Ｒ＝２９７からの界の様子も見たがかなりの急上りの様相。展望はこの方面だけだった。おにぎりを食べていると汗も乾き始め肌寒くなる。　発（１２：００）　境界杭は（３）～（４）辺りでは見たが間もなく見なくなってここも無い、従って下り始める地点がはっきり分からなく思案したが「この辺り」と思う所から下り始める。

いきなり岩場もある激下り、おまけにサルトリイバラも多く柴藪であった。私は後ろ向きで柴をかきわけ下ったり、バイクを引き摺り下ろしたり、ある時はバイクを下へ放り出して下るとかして少しずつ下る。下りだから何とか進めたが上りだとリタイヤ以外に索は無いと思った。最後まで藪が続いてＲ＝２９７に出た。　１０・（１２：２９）　藪からの開放感で少し休んで（１３）へ向かって界に乗ったがまたもや柴藪となる。

しかも今度は急登で、もうそれを突破する気力が無く引き返した。とは言え、これには一寸訳もあった。実は（９）地点でおにぎりを食べながらの展望で、焼却場の山手に遊歩道らしき物を見ていてそれによる甘え（これを辿ると楽に尾根に乗れるかも・・）が出ていた事。その道を探しながら舗装路を下っていると、道の左手に小さな祠があってそこが入り口だった。　１１・（１２：４７）　

道の幅は１．５ｍ位で焼却場を取り巻く様に付いていた。道は期待の尾根に乗るどころか最後は焼却場の南端に降り付いてしまった。柴藪で尾根に上れる様な所も無くどうしょうかと思っていたが鉄塔への巡視路がある筈と思い探すと、土手の上に見つかってそれを上って尾根に建つ鉄塔下に着いた。　１２・鉄塔下（１３：００）　界へ繋がる尾根には微かな踏み跡が在ったが藪状でＭＴＢ連れでは一寸きつかった。右に西脇公園から峠越えの舗装路や坂本城跡の在る尾根が南へ延びているのを見たりしながら上った。　１３・（１３：４０）

再び界に乗って舗装路からの界を覗くと、凄い藪で迂回したのが正解だった。おやつを食べて発つ。そこからも藪状が続くが傾斜は緩い。南が開けて視界がよければ海も見えるだろう所も有る。　１４・（１４：０２）　やがていきなり界が開けて来て更には完璧に開けたと思うと、アベマキ・クヌギなど高木雑木帯に入った。展望は無いが『尾根歩きはこれでなくっちゃー』と気分が晴れる。　１５・（１４：１５）

西脇市への破線を探したが全く見当たらず。右桧左潅木の界を上って行くと右が開けて笠形山等もスッキリと見えた。　４・（９：５４）　東（左）の尾根に踏み跡あり、界は藪っぽかったが少し進むと開け、微かな踏み跡を辿る。やがて地肌が見えて左右共全開で左は白山から妙見山等、谷間に見える尖がり山は高山か・・？。背の低いマツにシダ・ムロが出て、ちくりチクリと痛い。小さく上り下りしながら進んで　５・（１０：１７）　右に大木山から木谷山・深田と辿ったでこぼこ尾根も見える。　６・（１０：２５）　ここからは、畑瀬が目前でなぜか明るい道が見え、Ｒ＝２９７の向こうに最終ピークとそこへの尾根も見える。

畑瀬へは露岩も出て難なく立てた。　７・畑瀬（１０：３５）　無傷の石標を見てふと思った事がある、それは、『今まで四等の石標で傷ついているのを目にした事が無い』と言う事。立ってびっくり大展望で西は笠形山から千ヶ峰・マタニ山・西雄岳・大井戸。東では黒田庄の白山・天狗山・妙見山・テンロク・高山・三角点山・西光寺山等３６０度。この尾根筋の終点となる９番ピークとその左に後で辿るＲ＝２９７の向こうの山並みの全容も見える。

社用に追われてページ作りが滞っている間に山行が３００回になっていた。３００回となると区切りの記念に何処か『これっ』と言った山（県内）に登っていたかも知れない。そんな訳で３００回目も平凡な山行きになっていた。平凡とは言え通過した二ヶ所の藪は短いながらも一級近いものだった。（私が激藪とか藪とか言って、”苦るしんだ”と言っているのはＭＴＢを連れているが故でＭＴＢを連れていなければ殆ど苦になるものでない。

しかし、根曲がり笹と背高ウラジロの密生だけは別格でこれには空身でも苦労する）Ｒ＝１７５から外れて駐車場所を探しながら大伏に向かって走る。破線に近い所に広場があったが草刈中、先へ進むがなかなか見つからず大伏に至ってやっと止めることが出来た。　１・Ｓ／Ｇ（８：３６）　そこにはクローバーが沢山生えていたので四葉がないかと探して見るとなんと６枚も見つけた。今日は何か良い事が有るかも知れない・・。

準備を済ませて破線の入り口へ行くと、７０歳位の婦人二人が立ち話をされていた。２・入山（９：１２）今年の２月１４日に道が残っている事を確認していたが挨拶を兼ねて『峠道は残っていますか』と尋ねると。『昔は越えて行っていたけど今は道が有るかどうか・・・。昨日は、この辺りに昼間でも親子ずれのイノシシが出て作物を食い荒らすので猟師が退治を目的に入ったけど・・・。今日は入っていないようだけど気を付けて・・・。』と忠告を頂いた。

民家を抜けて山に入りかけると早速タケノコがイノシシに食い荒らされていた。薄暗い桧林に入ると砂防ダムが有り、底部から清水が湧き出ていた。踏み跡は右の谷へ入っていたが正面谷を上がる。植林の中に間もなく太い山桜を数本見る、中の１本は目高で周囲２５０ｃｍ（実測）もある大木だった。次第に傾斜が増していく、上の方に雑木林が見えて明るくなり、じぐざぐと上って尾根（境界・峠）に着いた。　３・町界・旧峠（９：３６）　前回立った時と変わっていたのは裸木が緑の衣をつけた事。

最高点から緩く下る、もう少しで南寄り尾根をそのまま下ってしまう所で気が付いて、コース確認して界に乗る。界は激下りだった。黒田庄側は太い山桜が沢山生えていた。確かに桜の花が咲く頃、この辺りは山肌一面薄いピンクに染まる。（西脇側も）下り切ると幅広コルで界が曖昧になるが妻を待ってそのまま進む。　１６・（１４：３９）　左太い桧右は混生林、中上りでほぼ上り切った頃から身の丈程の笹藪になって少し西脇側に逃れて上り、横ばいで鉄塔下に着いた。　１７・鉄塔下（１４：５０）　

南は鳴尾山・愛宕山から和布、北は尖がった大木山・その右奥に石金山が見えた。界の先端はＲ＝１７５に切れ落ちた法面、と言う事で、とりあえず２４０ｍピークを踏んで引き返し、巡視路を使って下った。降りついた所は「黒田庄畑瀬環境センター」が建っている所だった。その後バイクで走り、車に戻った。

※今回の山行を『平凡な山行き』と言ったが、境界はここに至って加古川に滑り込んでいて終点となる。そこで、境界を振り返って見ると、畑瀬～大木山～石原峠～幡上～石金山～ヲコサコ～小野尻峠～牛坂～大海山～小野山～丹治～篠ヶ峰～清水坂～竜ヶ岳～船坂峠～播州峠～三国岳～槍ヶ峰～マタニ山～千ヶ峰～飯森山～高坂峠～入相山～笠形山まで１５分割で境界縦走をしたことになっていた。（内４箇所の虫食いあり距離合計１ｋｍ）と言う事からすればこの山行も意義ある山行であった。

№３００

所々の小藪を抜けて立った畑瀬は大展望。その先からは激藪二つ。

舗装路からの境界は、これまた藪で界から外れ、ぐるっと回って界に乗り、先端ピーク

２４０（に・よん・まる）から計画通り巡視路下る。

黒田庄大伏南破線西登～町界（旧峠）～市町境界南下～２４６ｍ～

畑瀬/はたせ（２４６．０ｍ四等）～２１８．０ｍ～Ｒ＝２９７～境界は藪で迂回～

西脇市焼却場経由～鉄塔下～２７０ｍ～２４０．０ｍ～巡視路で津万井に下る

◎所在地　：　多可郡黒田庄町津万井と西脇市の市町境界尾根

◎地形図　：　２万５千図　　『中村（なかむらまち）』　

◎山行日　：　２００４．　５．　５　（水）　晴れ

◎山行条件　：　MTB／妻　　　　　　Ａｇｅ＝５７

◎コースの見所　：　①　畑瀬からの３６０度大展望　　

　　　　　　　　　　　　　②　山桜が咲く頃には尾根から山一面花が楽しめる

◎走行距離　：　往路　４０．７ｋｍ　往復　８２．０ｋｍ

自宅発（７：３６）～Ｒ＝１７５～西脇市～黒田庄町大伏１・Ｓ／Ｇ（８：３６）～発（９：０３）～

２・入山（９：１２）～３・町界・（旧峠　９：３６）～発（９：４０）～４・（９：５４）～５・（１０：１７）～

６・（１０：２５）～７・畑瀬（１０：３５）２４６．０ｍ四等・おやつ～発（１０：５６）～激藪下り～

８・（１１：１７）～９・（１１：３３）～発（１２：００）～激藪下り～１０・Ｒ＝２９７（１２：２９）～下見～

発（１２：４０）～Ｒ＝２９７～１１・入山（１２：４７）～１２・鉄塔下（１３：０５）～

１３・（１３：４０　おやつ）～発（１３：５７）～１４・（１４：０２）～１５・（１４：１５　ルート確認）～

１６・（１４：３９）～１７・鉄塔下（１４：５０）～発（１５：００）～Ｒ＝２９７（１５：１１）～バイクで走る～

１．Ｓ／Ｇ（１５：１９）～妻と合流（１５：２９）～往路～道の駅～自宅（１７：５０）