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あのコース、このコースとあちこち在り過ぎる中で選んだのが今日のコース。磨崖佛と屏風岩は登山とは関係なく一度見てみたいと思いながら長い年月が経っていた。最近太子町の井上さんとのコンタクトの中でこのコースを思い出してコース設定した。簡単に言えばR=29とR=26に囲まれ、その中央を町境界が縦断している大きな山塊である。觜崎橋東詰1・S・G(8:39)
(鉄人加藤さんなら一度で難なく簡単に全縦出来る距離であろう)山塊はうまい具合に破線と舗装路が3分割で横断しているので私は3分割で挑む事にした。しかし、実家へ帰省する時R=29を走りながらいつも眺めている尾根で何だかヤブっぽい感じを受けていたのでそれが心配でもあった。天気は上々、駐車地点は決まっていたので即行き着けた。
肌寒い中、先ずは直ぐ近くに有る磨崖佛を見に行く、舟形光背を持つ一体の等身大の地蔵立像で1354年に彫られたものらしく銘と紀年銘のある磨崖佛としては県下最古との説明があった。そこから15m上流にも4体が彫られていてどちらも屋根が設けて有ったらしく柱を差し込む方形の穴が地蔵さんの上を囲むように開いていた。どんな経緯でこんなに大規模な岩壁が誕生したのだろう・・・。
車に戻って準備を済ませて発つ (9:05) 岩尾根へは神社と墓地への階段を使えば簡単に上がれたがここは敢えて尾根先端から上り始めた、『あの人あんな所でMTBを担いで何しとんかいな』と信号待ちしている人から声が聞こえてきそうだった。案の定、尾根はカズラで塞がっていたが直ぐに突破できた。後は岩尾根を行き墓地を通過して(かなり大きな規模の墓地)再び岩尾根に乗る。岩以外の所ではよく踏み込まれた道がついていた。
結果オーライだった。と言うのはお地蔵さんが安置されているのは峠から林田側に100m位下った山寄りの所だったから界を辿って峠に出ていたらこのお地蔵さんに出会えていないかも知れない。花立(竹筒でない)右に「六九谷・ 安永たか」 左「大谷・ 村上三之助」と彫られていた、この地名からすると林田町の住民が建てたと思う。
台座は磨き花崗岩60cm角で側面に字が彫られていたが板壁が接近して判読できず。お地蔵さんも60cm角の同石材で彫られていて、面長で人間に近い表情だった。また昭和2年に板に彫られた御詠歌が奉納されていて「三木鉄太郎」と言う人が彫ったようであった。 発(13:20)峠へ上って見ると新宮町側の道は笹などが繁っていた。
暫く桧林を上ると尾根右が明るく開け太いクヌギが疎らに生える笹原となった。ここはR=29を走りながら見る度に「実際はどんな植生なのか」と気になっていた所であった。歩くのが苦になる事は無かったが長い中上りで、1歩1歩がきつかった。そして展望が一番いい所で休んだ。 15・展望(13:38) 辿ってきた幾つかのピークと東遠望で、とんがり山・伊勢山・その奥になだらかな書写山が見えた。 発(13:45)
斜面の中程から雑木林で傾斜がきつくなり頂上近くになると笹薮になってしまった。 16・(13:50) おやつを食べる、裸木の間から西が見えたが山座同定は出来なかった。始め気持ち良かった西からの風が冷たく感じ始めてそこを発つ。 (14:05) 右桧林の界は開いて上り返して 17・北山(14:20) 予想は「笹柴のヤブ」だったが下草の無い大きな建物が有ったかと思う程の平地だった。西は木の間から今だから見える山々、東は前山の稜線上に明神山の頭が覗いていた。
bQ92
◎所在地 : 揖保郡新宮町の觜崎橋東詰めから東北東へ伸びる町境界尾根
◎地形図 : 2万5千図 『安志(あんじ)』 『龍野(たつの)』
◎山行日 : 2004. 3. 13 (土) 晴れ
◎山行条件 : MTB/妻 Age=57
◎コースの見所 : @觜崎橋東詰北断崖の磨崖佛(2ヶ所・県指定文化財)
A同断崖上岩稜尾根に在る屏風岩(国指定天然記念物)
B同断崖上岩稜尾根の縦走 C(15)地点の大きなお地蔵さん
◎走行距離 : 往路 41.7km 往復 86.7km
自宅発(7:40)〜明姫幹線〜姫路B/P〜太子上太田IC〜R=29〜龍野市追分交左折
R=724〜觜崎橋東詰1・S・G(8:39)〜発(9:05)〜2・屏風岩?(9:30)〜3・(9:36)〜
4・(10:00)〜5・池ノ内(鶴嘴山)263.2m四等(10:15)〜発(10:20)〜6・(10:34)〜
7・(10:50)〜8・峠(11:00)〜発(11:10)〜9・(11:20)〜10・宮垣内261.1m四等
(11:30 おにぎり)〜発(12:00)〜9・(12:06)〜11・(12:20)〜12.(12:35)〜
13・(12:40)〜13・発(13:00)〜14・峠の地蔵(13:10)〜発(13:20)〜
15・展望(13:38)〜発(13:45)〜16・(13:50 おやつ)〜発(14:05)〜
17・北山396.2m三等(14:20)〜発(14:33)〜18・(14:40)〜19.峠(15:05)〜
発(15:10)〜20・R=29(15:37)〜妻と別れる(15:40)〜バイクで走る〜
1.S/G(16:00)〜一休さんで妻と合流(16:10)〜往路〜自宅(17:14)
屏風岩〜池ノ内(鶴嘴山)〜
貴船山?〜宮垣内〜北山。
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川傍に見る県指定文化財の磨崖佛は何とも柔和な表情で、
岩稜に見た屏風岩は県の天然記念物。
その後通過二つ目峠で突然出会った石仏はほんに立派なお地蔵さん。
長い上りに耐えた後に立った北山三角点は一味違った水平ピーク。
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10・貴船山・
261.1m
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8
7
6
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峠からの上り返し、西側は植林帯東は雑木で下草に笹が出る。踏み跡らしきものは在ったが藪っぽい中上りが続いて 9・(10:20) 現在地確認して開けて東向き尾根を少し上るとピークに着いた。進行方向とは全く反対の南にむかってシダ原を進んで 10・宮垣内(11:30 おにぎり) 展望は東の裸木の上からR=29に沿う六九谷・口佐見・新町地区等が見えた。ここには木製のプレートが掛かっていて『貴船山』と記されていた。そこで私も同名のプレートを付けたが自宅にて再確認すると貴船山とは違って『宮垣内』であった「貴船山は三角点の北側の峰」と記されていた。発(12:00)
短い雑木林を抜けると間もなく「天然記念物屏風岩」と彫られた石柱が写真の様な姿で建っていて、この後方の岩がその対象なのかと思っていた。しかし後日読んだ本「探訪ひょうごの天然記念物」によると総延長役140m、幅は約6m、高さは最高12mとなっていたのでこれではなかった。そして初めのピーク 2・屏風岩(9:30) 柱状の節理が見られ360度展望。
振り返ると揖保川の下流先に鶏籠山から的場山・亀山方面が見え、東はとんがり山から伊勢山等を同定。ほぼ横ばいから緩く上り返してソヨゴ・ヒサカキ・赤松・クヌギ等の混生林を通過して 3・(9:36) 左山裾に曽我井地区が見える。岩盤尾根が続いて、少しシダが出て 4・(10:00) 展望良好、東に書写山から暮坂峠や南には海も見えた。
少しづつ山道らしくなって行き水平ピークの先に三角点が在った。 5・池ノ内(10:15) 北面に狭くも切り開きあり、ここまでは多くのハイカーが踏み込んでいたがここから先は踏み跡も一気に薄くなっていた。 発(10:20) リョウブの木が沢山生えた雑木林を下って、小さなコブを越えるとシダが出て上り返す。 6・(10:34) 小シダ柴ヤブ状を進んで短急下りするとコルは峠で有った様な形跡を見る。
ここからの上りは柴ヤブになったが上り切るとヤブは開けた。横ばいから下り切ると高さ5m位の切り通し峠だった。 8・・峠(10:00) 西の谷からは作業車も上がって来ていた東側を覗くと直ぐ右に2m四方位の低い石垣に囲まれた(石垣は2辺)建物跡と思える平地があり自然石の上に首無しの大師座像(H=30cm位)と五輪塔の上2輪が置いてあった。以前は車も通っていたと思える峠だった。発(10:10)
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(9)に戻る。(12:06) 界はコルまで開いていたが上りから怪しくなって、丈が膝上辺りまでのシダが出る。右下に集落を見ながら進んで 11・(12:20) 短くルートが開けたが下りは塞がり気味、左側に高木雑木が美しかった。コル左より細いながら人的な道が上がってきていた。(地図破線の枝道か・・?)
次の上りはシダ柴の藪だったが尾根左が無難とヤブを抜けてから分かった。 12・265m(12:35) 左が開けて直ぐ西に在るピークは緑一色の綺麗な尖がり山でその右に先々までの山並みも見えた。下った所左下谷に幅1m位の最近出来たと思われる道が谷を巻いていた。(8)へ繋がっていると思う。先行していた妻はそのまま尾根を直に下っていて後を追う。
そこでハッと気が付いて地図を見ると界は短く西へ振っていたので引き返し(13)からすぐ西のコブに立つと北面が伐採されて開け、この後越える大きなピークが見えた「越えられるだろうか・??」と思う。さて界を見ると左桧林の植界で柴藪になっていたので、先ほど下っていた尾根が安易だっただけに甘えが出てそれを下って破線峠へ向かう事にした。薄暗い植林帯を下って破線谷へ近付くとお堂が見えてきた。 14・・峠の地蔵(13:10)
(8)地点の峠 林田町側から
折れたのか修理中で後方が160mピーク
説明看板が設置されている方の磨崖佛
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17・北山・396.2m
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12・265m
5・池ノ内
263.2m
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2・168m
北山 発(14:33) 少し先へ行くと大きな岩が数個かたまって有った、高木雑木帯を下る、右の谷一面はそれが続いていた。緩く上り返して 18・(14:40) 方向決めに一寸思案してから下る。下草無しの雑木林で左下に揖保川を挟んで集落が見えた。どんどん下りで小さなコブを一つ越え、やや左に振って急斜面を滑りながら下りきると鉄塔下に出た。19・峠(15:05) バイクを置いて探索すると、そこから逆戻りで東山肌に横ばいの明るい道が付いていた、これは巡視路だろう。コルに下ると破線の道が有った。新宮町側へは消えかけていたが林田町側には明るい道が下っていた。 発(15:10)
下り始めはザレ道、やがてガラ道になりそれが消えて杉林になって下り続け、大きな石橋が架かる細流を渡って下ると間もなく小さな神社(荒神さんを祀っていた)の横に出て大きなイチョウの木の下をくぐるとそこはR=29だった。間もなく私はバイクで走って車に戻って一休さんで妻と合流して帰路となった。
觜崎橋東詰〜屏風岩〜池ノ内(鶴嘴山)263.2m四等〜峠〜宮垣内261.1m四等〜
265m〜峠の地蔵(国民宿舎新宮荘とR=29をつなぐ)〜北山396.2m三等〜
峠(川東とR=29をつなぐ)
(17)北山・南より写す磨きのかかった無傷の標柱
(16)への上りの高木雑木 これでも斜度は中位
←標石
林田町側を見る 車の轍らしきものが見える
林田町の人等が建てたお地蔵さん