方向を確認していると樹間から笠形山が見えた。下り始めると明るい踏み跡が出る。左は桧林右は太いアセビが続き、丘尾根を越えた所で休んだ。ひだりの谷(源頭)からはしきりに「ヒキガエル」の鳴き声がした。休んでから、気合を入れて上り返して行くと、よく踏み込まれた横道に直面した。9・(11:15)それはグリーンエコー笠形からの登山道で「アセビの森」へ向かう大きな尾根通しの所だった。

ここから後は、ご存知の通りでしょうからレポートは、省きます。8合目(11:25)〜笠の丸・笠形山尾根ルート合流10・(11:33)尾根ルート上には、いたる所に薄赤色のベニドウダンの花が落ちていた。既に下山してくるハイカーもあり挨拶を交わしながら上って笠形山頂上10・(11:47)6人の人画居て夫々が憩っていた。

その後次々と上ってきて、最高で15人まで増えた。展望はまずまずで、北は粟鹿山 東は篠山市の三岳 南は意識せず 西は明神山から生野高原の範囲が見えた。そして下山ルートの町界尾根がストンと右肩を落としているのが確認できて、ヤブを覚悟の上であるが、そうでない事を祈った。

いろんな人といろんな話をしたが山の頂上で人に会うのは、昨年の11月23日篠ヶ峰〜竜ヶ岳〜鳥羽坂以来であった。(マイカー登山以外で)話題の主は、MTBだった。おにぎりを食べてゆっくり休んで山座同定して発(12:25) 上っている時もきずいていたが、分岐までの中ごろで、太い樅の木が中央から折れて道の西側に横たわっていた。

不思議に思っていたので調べて見るとなんと落雷によるもので、道の右から左へ飛ばされていた。昨晩のあの激しい雷の仕業だと思う。分岐を越して、意外と長かった笠の丸12・(13:15)東屋では30歳代のご夫婦が食事をされていて、会話によると、蓬莱岩経由で上がってきて、ここで力尽き、笠形登頂は断念したとのことだった。頂上まで30分なのに・・・と思った。

神社まで30分、蓬莱岩まで40分の標示されていた。そして、そこを離れ、蓬莱岩コースを下って行った。コースの両側には、記憶に残っていた笹藪が当時と変わらず現れた。コースから外れて辿る町界が、もしもこんな藪だったら「リタイヤ」するしかないと思いながら進んでいた。

やがて、薄暗い桧林になり間もなく10・蓬莱岩分岐(13:25)辿る町界尾根を確認しようと蓬莱岩の方へ少し下ってみたが密生する笹に阻まれて見ることができなかった。「立錐の余地も無い」とはこう言う事を指して言うのだろうとその笹藪を見て思った。方向を確認していよいよ未知のルートに踏み込んだ。

左の猛烈ヤブとは反対に右の植林の谷は下草皆無で気を惹かれた。少ししてから笹ヤブっぽくなったが大したヤブで無く、心配していたよりもずっと歩き易かった。11・(13:40)方向確認を念入りにする。町界は腰の高さの笹藪となるが大して苦になる様なものでない。

(12)で方向を変えるが要するに鹿網に沿って進めば良い。(鹿網と言っても、それを吊るす番線だけになっていたりする)13・(13:50)南が全開で界から外れて笹原に立つと、蓬莱岩への尾根が、いい感じで右へ緩く下っていた。辿る町界は、見えなかったが辿って下るV字の深い谷(峠)の向こうに、何時か辿りたいと考えている町界尾根が険しげな山容を見せていた。

町界に戻ってそこを離れたが、鹿網が無ければ西尾根に誘い込まれるだろう要注意のポイントである。
左鹿網に沿って雑木帯を緩く下って行く。次のコブの先でピンクのビニテープ(山仕事用に使われているテープ)は急斜面の北の谷へも下っているので、惑わされないように。14・(14:10)この時期展望は望めないが左手樹間から市川町のリフレッシュパーク市川とその谷筋が見え、少し先右手樹間から、グリーンエコーのテニスコートとグランドがチラリと覗く。

ルートは明るく快適に進んでいたが15・(14:10)辺りで、いきなりどうしようもないくらいのヤブになってしまった。右は潅木の柴ヤブ、左はイガと草でたじろいだが少しの辛抱で抜けた。尾根肩からの下りは倒木が多く、それをかわしながら下っていると直ぐ左に出来立ての作業道が上がってきていてビックリした。16・(14:40)
先ずは、破線ルートを確認すると明るい踏み跡が有り、安心したり入れていた気合が抜けたりだった。橋の下の谷川を渡って、橋から先のルートを確認をすると、杉林の谷に踏み跡程度の道がついていた。「林道は市川町へ抜けているかも」の予想は外れた。元に戻って、いよいよ破線ルートを辿り始めるが、この時点では、石標を見逃していた(石標については後で記述) 3・(9:10)

明るい踏み跡からみて、やっぱりこのルートは未だ「生きていた」と思いながら、谷川に沿って緩く上る。しかし、間もなくいきなりルートが塞がってしまった。判断は、地形から見て谷川を渡るしかなかった。谷川を渡ると予想通り踏み跡が現われて、薄暗い杉林の緩斜面を上る。谷川に沿って上る時は、何時もの事で、清流に魚影を探しながら上るが、水深が浅かった事もあるがそれを見ることはなかった。

そんな清流が、次第に様相を変えて川床が岩盤になり、次には滑ら滝へと変わっていった。その滑ら滝がnakanaka素晴らしく延々続いていた。滑ら滝は、あちこちで見て来たがここのは一級品である。凄い凄いと思いながら上っていると右山肌から大岩が迫り出している所に着く。4・(9:20)滑ら滝はここで、完璧なまでに終わる。

変わって岩がゴロゴロする谷川に変わるがここで谷を渡る。あんなに明るかった踏み跡が消えてしまう。草木が茂っているうえ山椒が生えていてちくりちくりと痛い。そんな所にも在る筈の道を探しながら進んだが、岩盤岩肌も出て進めなくなり、谷川の左から右へ移って無くなった道を探す。それらしきものは見当たらず、おまけに、山椒とそれよりもきついイガ(ニセアカシヤに似た木)が出てきた。

切り開きをするがどうにも成らなくなって谷川に逃れた。岩を越えながら谷川を辿った。そんな時、少し開けた所で一輪の花が目に入った。瞬間に「九輪草」と思ったが花の部分が一段しか無かった。しかし、薄紫の花弁と葉の大きさ形からしても「九輪草」と思って写真に撮った。(県内で神崎町だけに自生の報告がされている九輪草だった)

その辺りからは、頭上も塞がってきてMTBを連れてでは進めなくなった。幸いにも、左山肌は激急斜面ではあるが杉林になっていたので、その中にルートを求めて入ると、獣道だろうけど踏み跡があって、谷川上20m位の斜面をトラバースした。下見の結果岩肌の急斜面でこれも断念せざるを得なかった。谷筋の破線ルートはあきらめて北尾根に逃れ、笠形山を目指すことにした。とは言ってもMTBを担いでの上りは容易でなかったが、是しかなかった。

我慢して上っていると雑木に変わって傾斜も少し緩んで支尾根に着いた。6.(10:00)尾根は赤松主体の植生になっていた。その中で腰を下ろして休みながら現在地を確認するがなかなか把握できなかった。と言うのもあのイガ藪での苦闘と激上りで、山猿の勘も狂ったか・・・この時点では、580m〜767mの尾根に立っていると思っていた。

着いた所だけが緩斜面で直ぐに潅木帯の中上りとなって、大きな岩尾根を越えて上る。すると、予想ではある筈の無い向きの尾根に出た。7・(10:35)少し休んで、尾根を右に折れて、急斜面尾根を上って行く。北側桧林南は凄い切れ落ちの潅木帯である。やがて傾斜が緩んできて、間違いなく767mピークに向かっていることが確認できた。

緩くなって直ぐに少しながら東面が開けて下山に使う町界尾根が見えた。辿る尾根は横ばい又はゆる上りが続いて何だか道だったような跡が有った。下草には疎らに生えるスネ下丈の笹と太い松に萱の木が生えていた。谷からの激上りが報われる思いで歩き、相変わらず太い松と萱の木が生える丘ピークに着いた 8・(11:00)
bQ65
笠形山 
(16)辺りでいきなり現れた作業道
(14)前後でよく見かけた「ギンリョウソウ」   
「犬も歩けば棒(?)にあたる」 あたった棒は「滑ら滝」to「九輪草」

滑ら滝は、あちらこちらで見てきたけれどここのは凄いと歓声やまず、

その後の「いが藪」知る由もなく 。

イガはイガでも格が違う、そのイガ藪から逃れた谷でキラッと光るは「九輪草」



 扁妙の滝より一本南の谷筋(地図の破線)〜途中リタイヤ

           〜北尾根〜767m尾根〜笠形山〜笠の丸〜町界西尾根〜峠



◎所在地 : 神崎郡神崎町と多可郡八千代町の町境界

◎地形図 : 2万5千図 『粟鹿町(あわがまち)』 

◎山行日 : 2003. 6. 8 (日) 晴れ 爽やか

◎山行条件 : MTB/妻    Age=56

◎コースの見所 : @グリーンエコー笠形 (杉の湯=500円) A扁妙の滝

             B破線谷筋の滑ら滝  C 笠形山から360度大展望

◎走行距離 : 往路 57.7km 往復 110.8km

◎播但道通行料 : 花田〜神崎南=往復 2000円 



自宅発(7:17)〜明姫G/R〜播但道〜神崎南L/P(8:05)〜R=312〜R=8〜

グリーンエコー笠形1・S/G(8:19)〜発(8:45)〜2・遊歩道入り口(8:53)〜

3・林道終点(9:03)〜発(9:10)〜4・(9:20)〜5・(9:40)〜6・(10:00)〜発(10:15)〜

7・(10:35)〜8・764m(11:00)〜9・(11:15)〜8合目(11:25)〜

10・笠の丸コース合流(11:33)〜11・笠形山939.4m一等(11:47)〜発(12:55)〜

12・笠の丸(13:15)〜13・蓬莱岩コースのゲート(13:25)〜発(13:30)〜14・(13:40)〜

15・(13:45)〜16・(13:50)〜発(13:55)〜17・(14:10)〜18・(14:30)〜

19・作業道(14:40)〜20・峠(14:53)〜3・林道終点(15:15)〜

MTBで下る〜車S/G(15:24)〜発(15:53)〜G・エコー笠形(風呂・散策・食事)〜

発(17:14)〜往路〜自宅(18:26)



※画像乱れあり

最近は行き先を決めるのに迷ってばかりいる。このコースも3っつの候補の中から決めた。笠形山を西から見ると、笠形山から右肩下がり(東からだと左)の尾根が何時も目を惹いて気になっていた。今日たどる町界尾根が、それであるかどうかは判らないが、もし違っていてもそれに近いことは確かである。

笠形山へは今回で7回目である。’94.9/18竜ヶ滝コースをかわきりにグリーンエコー笠形〜高坂。笠形神社〜笠の丸。仙人滝〜蓬莱岩・・・。今回は、神崎町側から笠形山へは元来このコースで登っていたのではないかと想われるコース(地形図の破線谷筋)で上って、下山にあの気になる町界でもある尾根を下ることにした。想像通りだと新コースの開拓になるが果たして結果は如何に・・・。

車は林道の入り口に置かせてもらった。1・グリーンエコー笠形(8:19)ウグイスとホオジロが、朝の緑の谷間で鳴いて出迎えてくれた。林道の両側には延々と白ばかりのウツギが咲いている。谷川を右下に見て緩く上っていると、やがて散策コース(扁妙の滝・沢登りコース)の入り口が有った。2・遊歩道入り口(8:53)それは、薄暗い杉林の中へと上っていた。

さらに上っていると、整備された林道の終点に着いた。そこからは道幅も少し狭くなり、傾斜も少しきつく、4駆だと走れる程度の悪路に変わる。この道の状態で峠を越えて市川町へ抜けられると想っていたが、間もなく谷川に突き当たって林道は途切れてしまった。3・林道終点(8:53)

14
11
10
8・767m
石標には「左山道 右うしの」と刻まれていたので、帰宅してから「うしの」に該当する地名を探すと、峠を越して市川側に下って行くと「上牛尾と下牛尾地区」が在った。現在の読みは、「うしお」となっているが旧には「うしの」であったと思われる。道も悪くないし往路を下ると言うことで私は、久し振りにMTBに乗って車に戻って妻を待った。車・(15:24)

着替えたりぶらぶらしたりしている時、目に入ってきた物は、nanto自生の「ササユリ」だった。一本だけだったが、やはり感動物である。言うまでもないが、葉だけを見ると、一緒に生えている笹の葉と見分けがつかない程よく似ている。「ササユリは育つまでに10年かかる」と言われている、そんなササユリを採ってイヤイヤ35mm一眼レフ100mmマクロで撮って、施設内に有る「杉の湯」で汗を流し、レストランで食事をして帰路に就いた。

S/G辺で見つけた自生のささゆり(100mmマクロで撮影)
左山道  右うしの と刻まれている
鉄板製の案内板
   ↓
峠に残っている杉の木に、赤ビニテープが巻かれて「ガードレールの所から階段を下って30分」と書かれていたが、峠道が残っていて集落までの時間と思う。そしてS/Gに向かって杉林を下り始めた。少し下った所に、石垣で囲まれた建物跡と思える平地が有った。峠のお堂跡かと思いよくよく見ると、そうでなく崩れてしまった炭焼き窯跡のようであった。

一抱え程の石がゴロゴロする下りの中に、低い石垣が何箇所か有り、使用されていた頃は、よく整備されていた事を窺わせる。間もなく傾斜が緩くなって源頭が現れ、久し振りに喉を潤す。道の石も無くなって薄暗い杉林を下って(3)の林道終点架かる朽ちた橋の所に着いた3・(15:15)谷川を渡って車回しに出た時妻が石標を見付けた。

25p×20p高さ100p位の山中では見たことの無い位大きなものだった。朝方の上り口の右に生える、杉の木に隠れるようにして斜めに寝ていた。そして、その直ぐ横に、最近は全く見かけなくなった鉄板製の矢印案内板が、赤く錆びて形だけを留めて立っていた。これには、多分「笠形山登山口」と書かれていたのでないかと思うとともに、これを見て何だか温かいものを感じ、またこの破線ルートはやはり利用されていたことを窺わせた。寝ていた石標を起こしてよく見えるようにしてそこを発った。
市川町側は完全舗装路
神崎町側は杉林
その道に出ておやつを食べながら、「この道の始発は峠か・・」と思って少し下ってみたが峠でなく、市川町側から上がってきている完全舗装路のどこかにつながっていた。町界に戻って残り僅かな急下りをして17・峠(14:53)市川側は、峠まで舗装路が上がってきていたが神崎側は全く手付かずのままの姿で現在に至っていた。これを見て何だか変で合点がいかないのは私だけでないと思う・・・。
(8) 767mはこんな丘ピークです
撮影未熟により葉が白く飛んでしまった「九輪草」
橋はこんなに朽ちてしまっている
林道終点  石標の左から上り始める

←石標
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